シャープのダストセンサーを入手しましたので、PIC16Fで制御し ダスト(花粉)を液晶に表示しました。

ブロック図

回路図

dust_meter_回路図

設計

ダストセンサー(GP2Y1010AU0F)のデーターシート(6ページ)の出力粉塵濃度特性例グラフから直線部分の2点から1次方程式を作成する。
①出力電圧 1.5V時 粉塵濃度は170μg/㎥
②出力電圧 3V時   粉塵濃度は405μg/㎥ である
出力電圧をX[V]、粉塵濃度をY[μg/㎥]とすると 上記①②から 求める1次方程式Y=aX+bは
Y=156.6X-65・・・③式 となり、傾きaは156.6、切片bはー65である。
以上より 出力電圧1V時は Y=156.6*1-65=92μg/㎥となる

上記③式のXの単位は[V]で0~3.6V位であり、これをADコンバータ(10bit)出力値0~1023に変換する。
ADコンバーターの基準電圧は4.096Vであり、10bitの1024の分解能である。これから1bit:4mVとなる。すなわち出力電圧1Vは1V/4mV=250の値となる。
また AD変換は、下記のフローチャートから「AD開始(7)」から「ADデータ取り込み(9)」までの間の時間(9-7)*40μSec=80μSec で終了しなければならない。
AD変換に要する時間は、PICのデーターシートより11.5*Tad(Tad:AD変換クロック)であり11.5*Tad<80μSec から Tad<6.9μSecとなる。
CPUクロックは16MHzであり ADクロックはこの 1/64の 16MHz/64=250kHz:4μSecを使用する。

粉塵濃度、出力電圧、ADコンバータ出力値の関係は、1Vを基準にすると
156.6*1-65[μg/㎥] : 1[V] : 250 となる。
これから、ADコンバータの出力値を 傾きa’(156.6/250)倍し 切片b(-65)を加算すれば 粉塵濃度が求められる。

ADコンバータの出力は、上記GP2Y1010AU0Fの動作条件から 10mSec毎に出力され、高速なので加算平均をとる。加算回数nを上記傾きa’から求めると
156.6/250=n/64から n=40となる。分母の64は、求めた値を、6bit分右シフトすると求められるため、高速に処理することができる。

以上より GP2Y1010AU0Fの動作条件のタイミングでAD変換を行い、出力データを加算することを40回繰り返す。その合計値を64で割り 65を引くと、ダスト(花粉)が計測できる。
この値を、キャラクタ液晶に表示する。

ソフトウエア

考察

今回設計したダスト(花粉)測定器のセンサーであるSHARP GP2Y1010AU0Fのデーターシートの 出力粉塵濃度特性例 は例であることと、無塵時出力電圧が変化することから、絶対値の測定は難しいことがわかった。基準となる測定器でキャリブレーションが必要である。
相対的なダストの変化は 測定できた。

使用パーツ

ダストセンサー1

部品表

品名型名販売店単価個数小計
CPUPIC16F1823秋月電子1101110
LCDSC1602BS秋月電子5001500
ダストセンサーGP2Y10101AU秋月電子9001900
ピンフレーム5pin,6pin秋月電子20240
ピンヘッダー5pin,6pin,6pin秋月電子20360
半固定ボリューム20kΩ秋月電子40140
ICソケット14pin秋月電子25125
抵抗150Ω、1.2kΩ、10kΩ秋月電子133
電解コンデンサ220μF、470μF、秋月電子20240
トランジスタ2sc271810110
セラミックコンデンサ0,1μF/50V秋月電子10220
DCジャック2.1φ秋月電子40140
ACアダプタ5V 1A5001500
プリント基板AE-B2-LEM3秋月電子1001100
ケースSK16秋月電子1301130
合計2518円